☆講義の概要
学年 | 学部3年 |
学科 | 応用化学生物学科 |
分類 | 選択 |
学期 | 春学期 |
曜日 | 水曜日 |
時限 | 1講時 |
講義室 | B202 |
講義の内容 | 透明ポリマーが、ディスプレイ用光学フィルム、光ディスク、光学レンズ、光ファイバー、タッチパネルなど各種光学部材に用いられ、光技術分野を支える重要な材料となっている。さらに、環境・エネルギー的観点、ユーザビリティ、ロールtoロール方式による大量生産性といった点から期待が高まる次世代照明、フレキシブル有機太陽電池、フレキシブルディスプレイ、ウェアラブルエレクトロニクスなど次世代光技術の実用化においても、透明ポリマー材料の果たす役割は重要である。各種光学部材の機能を高め、次世代技術を実用化させるには、屈折率制御、複屈折制御、高透明化などポリマーの光学特性を高性能化するとともに、耐熱性や熱膨張性などの特性を向上させていくことが必要となる。 ここでは、光技術分野へ応用する際、重要となる光学特性について、ポリマーの構造および状態と関係づけて定量的に解説する。そして、理想的な光学特性を実現するにはどのようにして構造を制御し、どのような分子設計を行ったらよいのかについて理解を深める。高分子の構造・状態と光学特性の関係を明らかにしていく「高分子オプティクス」について学ぶ。 |
講義の展開 | 1.高分子オプティクス入門 2.屈折率T:屈折率と分子構造 3.屈折率U:屈折率の波長・温度依存性 4.屈折率V:屈折率制御、屈折率予測 5.屈折率W:光学レンズ 6.複屈折T:複屈折の発現メカニズム 7.複屈折U:低複屈折化と光ディスク 8.光吸収T:光吸収損失と分子構造 9.光吸収U:低吸収損失化のための分子設計 10.光散乱T:光散乱と屈折率不均一構造 11.光散乱U:光散乱損失と分子構造 12.高透明化T:高透明化、透明性予測 13.高透明化U:光ファイバー、フラットパネルディスプレイ 14.光学ポリマーのエイジング 15.まとめ(全体) |
教科書 | オリジナルテキストを配布する。 |
講義時に用意するもの | 関数電卓 |
評価の方法 | 定期試験を中心に、講義時に行う問題演習に対する取り組み状況、レポートなどにより評価する。 |
定期試験の持込 | 電卓のみ可 |
☆講義の詳細
講義日程 | テーマ | 内容/キーワード | |
第1回 | 4月13日 | 高分子オプティクス入門 | 【内容】 情報の記録、表示、伝送を担う光学ポリマーに究極的な光学特性が要求されている。理想光学特性実現のためにはポリマーの構造・状態と光学特性の本質的な関係を明らかにする必要があることを理解する。 【キーワード】 高分子オプティクス、光学ポリマー、非晶構造 |
第2回 | 4月20日 | 屈折率T:屈折率と分子構造 | 【内容】 屈折率と分子構造の定量的な関係について理解する。 【キーワード】 屈折率、Lorentz-Lorenz式、分子屈折、分子体積、パッキング係数 |
第3回 | 4月27日 | 屈折率U:屈折率の波長・温度依存性 | 【内容】 屈折率の波長依存性および温度依存性を支配する因子について理解する。 【キーワード】 分散、アッベ数、色収差、体積膨張係数 |
第4回 | 5月11日 | 屈折率V:屈折率制御、屈折率予測 | 【内容】 屈折率制御のための分子設計法、および屈折率の予測法について解説する。 【キーワード】 屈折率制御、高屈折率ポリマー、低屈折率ポリマー、屈折率予測システム |
第5回 | 5月18日 | 屈折率W:光学レンズ | 【内容】 各種光学レンズについて解説する。 【キーワード】 光学レンズ、非球面レンズ、コンタクトレンズ、眼内レンズ |
第6回 | 5月25日 | 複屈折T:複屈折の発現メカニズム | 【内容】 複屈折の発現メカニズムおよび分子構造との関係について解説する。 【キーワード】 複屈折、屈折率楕円体、配向複屈折、固有複屈折 |
第7回 | 6月1日 | 複屈折U:低複屈折化と光ディスク | 【内容】 低複屈折化のための分子設計法、および各種光ディスクについて解説する。 【キーワード】 応力複屈折、光弾性定数、光ディスク、記録型光ディスク、次世代光ディスク |
第8回 | 6月8日 | 光吸収T:光吸収損失と分子構造 | 【内容】 ポリマーの光吸収損失要因である電子遷移吸収と原子振動吸収について理解する。 【キーワード】 透明性、光伝送損失、光吸収損失、電子遷移吸収、原子振動吸収、倍音 |
第9回 | 6月15日 | 光吸収U:低吸収損失化のための分子設計 | 【内容】 光吸収損失と分子構造との定量的関係および低吸収損失化のための分子設計法について理解する。 【キーワード】 倍音振動吸収損失、低吸収損失化 |
第10回 | 6月22日 | 光散乱T:光散乱と屈折率不均一構造 | 【内容】 高透明化を阻害する非晶性ポリマー固体内の屈折率不均一構造を光散乱法により解析し、低散乱損失化のための高次構造制御法について理解する。 【キーワード】 光散乱、屈折率不均一構造、非晶構造解析、Debyeの理論 |
第11回 | 6月29日 | 光散乱U:光散乱損失と分子構造 | 【内容】 光散乱損失と分子構造との定量的関係および低散乱損失化のための分子設計法について理解する。 【キーワード】 光散乱損失、揺動説理論、等温圧縮率 |
第12回 | 7月6日 | 高透明化T:高透明化、透明性予測 | 【内容】 高透明化のための分子設計法、および本質的透明性の予測法について解説する。 【キーワード】 高透明化、フッ素化、透明性予測システム |
第13回 | 7月13日 | 高透明化U:と光ファイバー、フラットパネルディスプレイ | 【内容】 ポリマー光ファイバー、フラットパネルディスプレイについて解説する。 【キーワード】 ポリマー光ファイバー、フラットパネルディスプレイ |
第14回 | 7月20日 | 光学ポリマーのエイジング | 【内容】 光学特性の安定性・信頼性を吟味する上で重要となる光学ポリマーのエイジングについて解説する。 【キーワード】 エイジング、ガラス状態、体積緩和 |
第15回 | 7月27日 | まとめ(全体) |
☆連絡事項
日付 | 連絡事項 |