☆講義の概要
学年 | 大学院 |
学科 | 理工学研究科 |
分類 | 選択 |
学期 | 秋学期 |
曜日 | 金曜日 |
時限 | 4講時 |
講義室 | F203 |
講義の内容 | 透明なポリマー材料が、ディスプレイ用光学フィルム、レンズ、光ファイバーなどに用いら れ、光技術分野を支える重要な材料となっている。 さらに、フィルム型の次世代照明、フレ キシブルなディスプレイなど、次世代光技術への応用が期待されている。先端技術分野に透明 ポリマーを応用するためには、高屈折率化、高透明化など、光学特性の高性能化が必要であ る。 ポリマーは、規則的な繰り返しの構造単位からできている。また、光学材料となりうる透明 ポリマーは、構造的には非晶性、状態的にはガラス状態のポリマーである。ポリマーの光学特 性は繰り返し単位の化学構造と関係がある。また、高分子鎖のパッキング状態や構造的不均一 性などの高次構造も光学特性に影響を及ぼす。 高分子物性特論では、ポリマーの本質的な光学特性と構造・状態との相関に関して理解を深 める高分子オプティクスについて学ぶ。 |
講義の展開 | 1.高分子オプティクス入門 2.屈折率Ⅰ:屈折率と分子構造 3.屈折率Ⅱ:屈折率の波長・温度依存性 4.屈折率Ⅲ:屈折率制御、屈折率予測 5.屈折率Ⅳ:光学レンズ 6.複屈折Ⅰ:複屈折の発現メカニズム 7.複屈折Ⅱ:低複屈折化と光ディスク 8.光吸収Ⅰ:光吸収損失と分子構造 9.光吸収Ⅱ:低吸収損失化のための分子設計 10.光散乱Ⅰ:光散乱と屈折率不均一構造 11.光散乱Ⅱ:光散乱損失と分子構造 12.高透明化Ⅰ:高透明化、透明性予測 13.高透明化Ⅱ:光ファイバー、フラットパネルディスプレイ 14.光学ポリマーのエイジング 15.期末試験 |
教科書 | オリジナルテキストを配布する。 |
講義時に用意するもの | 関数電卓 |
評価の方法 | 【期末試験】 ① 試験範囲は講義の全範囲 ② 持ち込みは関数電卓のみ可 【課題】 演習問題を解き、提出する。 【成績評価】 1.期末試験を中心に評価する。 2.期末試験(100点満点)による評価の目安は本学「成績評価の基準」の通りである。 3.出席および課題に対する取り組み状況が不良の場合、減点をする。 4.再試験は行わない。 |
期末試験の持込 | 関数電卓のみ可 |
☆講義の詳細
講義日程 | テーマ | 内容/キーワード | |
第1回 | 9月26日 | 高分子オプティクス入門 | 【内容】 情報の記録、表示、伝送を担う光学ポリマーに究極的な光学特性が要求されている。理想光学特性実現のためにはポリマーの構造・状態と光学特性の本質的な関係を明らかにする必要があることを理解する。 【キーワード】 高分子オプティクス、光学ポリマー、非晶構造 |
第2回 | 10月3日 | 屈折率Ⅰ:屈折率と分子構造 | 【内容】 屈折率と分子構造の定量的な関係について理解する。 【キーワード】 屈折率、Lorentz-Lorenz式、分子屈折、分子体積、パッキング係数 |
第3回 | 10月10日 | 屈折率Ⅱ:屈折率の波長・温度依存性 | 【内容】 屈折率の波長依存性および温度依存性を支配する因子について理解する。 【キーワード】 分散、アッベ数、色収差、体積膨張係数 |
第4回 | 10月17日 | 屈折率Ⅲ:屈折率制御、屈折率予測 | 【内容】 屈折率制御のための分子設計法、および屈折率の予測法について解説する。 【キーワード】 屈折率制御、高屈折率ポリマー、低屈折率ポリマー、屈折率予測システム |
第5回 | 10月24日 | 屈折率Ⅳ:光学レンズ | 【内容】 各種光学レンズについて解説する。 【キーワード】 光学レンズ、非球面レンズ、コンタクトレンズ、眼内レンズ |
第6回 | 10月31日 | 複屈折Ⅰ:複屈折の発現メカニズム | 【内容】 複屈折の発現メカニズムおよび分子構造との関係について解説する。 【キーワード】 複屈折、屈折率楕円体、配向複屈折、固有複屈折 |
第7回 | 11月7日 | 複屈折Ⅱ:低複屈折化と光ディスク | 【内容】 低複屈折化のための分子設計法、および各種光ディスクについて解説する。 【キーワード】 応力複屈折、光弾性定数、光ディスク、記録型光ディスク、次世代光ディスク |
第8回 | 【補講】11月日講時@ | 光吸収Ⅰ:光吸収損失と分子構造 | 【内容】 ポリマーの光吸収損失要因である電子遷移吸収と原子振動吸収について理解する。 【キーワード】 透明性、光伝送損失、光吸収損失、電子遷移吸収、原子振動吸収、倍音 |
第9回 | 11月21日 | 光吸収Ⅱ:低吸収損失化のための分子設計 | 【内容】 光吸収損失と分子構造との定量的関係および低吸収損失化のための分子設計法について理解する。 【キーワード】 倍音振動吸収損失、低吸収損失化 |
第10回 | 11月28日 | 光散乱Ⅰ:光散乱と屈折率不均一構造 | 【内容】 高透明化を阻害する非晶性ポリマー固体内の屈折率不均一構造を光散乱法により解析し、低散乱損失化のための高次構造制御法について理解する。 【キーワード】 光散乱、屈折率不均一構造、非晶構造解析、Debyeの理論 |
第11回 | 12月5日 | 光散乱Ⅱ:光散乱損失と分子構造 | 【内容】 光散乱損失と分子構造との定量的関係および低散乱損失化のための分子設計法について理解する。 【キーワード】 光散乱損失、揺動説理論、等温圧縮率 |
第12回 | 12月12日 | 高透明化Ⅰ:高透明化、透明性予測 | 【内容】 高透明化のための分子設計法、および本質的透明性の予測法について解説する。 【キーワード】 高透明化、フッ素化、透明性予測システム |
第13回 | 12月19日 | 高透明化Ⅱ:と光ファイバー、フラットパネルディスプレイ | 【内容】 ポリマー光ファイバー、フラットパネルディスプレイについて解説する。 【キーワード】 ポリマー光ファイバー、フラットパネルディスプレイ |
第14回 | 1月9日 | 光学ポリマーのエイジング | 【内容】 光学特性の安定性・信頼性を吟味する上で重要となる光学ポリマーのエイジングについて解説する。 【キーワード】 エイジング、ガラス状態、体積緩和 |
第15回 | 1月24日 | 期末試験 |
☆連絡事項
日付 | 連絡事項 |