お知らせ
2026.06.09
研究情報
本学の教員が「電子情報通信学会論文賞」を受賞しました
東京大学種村拓夫教授のグループと株式会社KDDI総合研究所と本学鈴木副学長が共同で研究を進めてきた、マルチコアファイバを用いるデジタルコヒーレント受信器に関する論文が、「電子情報通信学会の2025年度論文賞」を受賞しました。「電子通信学会論文賞」は前年度の和文・英文論文誌に掲載された全論文の中から、ソサエティ毎に特に優れた論文に対して贈呈されます。
マルチコアファイバ(MCF :Multi-Core Fiber)とデジタルコヒーレント技術は現在の単一コア光ファイバの伝送容量限界を超えた更なる大容量光通信に欠かせない技術です。2コアMCFが本年光海底ケーブルシステムに初めて導入されましたが、現在のMCF を用いた伝送システムでは、ファンイン・ファンアウト素子で各コアの信号を複数のシングルモードファイバに分配しコア数だけ並べたコヒーレント送受信器に接続する必要があることから、今後の陸上中・短距離システムへの適用に関しては、受信器の小型化と拡張性が課題でした。
本論文では、メタサーフェスを活用することでファンイン・ファンアウト素子 を用いず、コア数に対してスケーラブルでコンパクトなマルチコア偏波多重コヒーレント受信器が実現きることを提案・実証しました。メタサーフェスは波長未満の誘電体または半導体の微細構造により入射光の位相、偏波状態を制御する表面入射型の光学素子です。偏波多重コヒーレント受信には受光に加えて偏波や位相を制御す光部品が必要となりますが、本論文では、従来光導波路等で実装されていたこれらの機能をメタサーフェス に置き換え、更に表面入射型素子が有する空間多重性を利用することで、1 枚のメタサーフェス とコア当り5 台の受信器(従来は8台)のみという極めて簡素な構造の受信器を実現しました。提案した受信器はSOQ(Silicon On Quartz)基板上にメタサーフェス を作製し、4 コアMCF からの偏波多重 コヒーレント信号を同時に受信し、全てのコアの両偏波チャネルが良好に復調できることを実証しました。本論文はコンパクト光送受信器の提案・実証に加えて、メタサーフェス が従来のイメージング用途のみならず通信用途でも有望な技術であることを示しています。
論文賞贈呈式は2026年6月4日に機械振興会館で執り行われました。
<論文タイトルと著者>
タイトル:メタサーフェスによる空間・偏波多重コヒーレント受信器
著 者:小松憲人 相馬 豪 石村昇太 高橋英憲 釣谷剛宏 鈴木正敏 中野義昭 種村拓夫
掲 載 誌:電子情報通信学会和文論文誌C 2025年 4 月号掲載

論文賞贈呈式の様子(左から鈴木副学長、相馬氏、電子情報通信学会植松会長、高橋氏、釣谷氏)
マルチコアファイバ(MCF :Multi-Core Fiber)とデジタルコヒーレント技術は現在の単一コア光ファイバの伝送容量限界を超えた更なる大容量光通信に欠かせない技術です。2コアMCFが本年光海底ケーブルシステムに初めて導入されましたが、現在のMCF を用いた伝送システムでは、ファンイン・ファンアウト素子で各コアの信号を複数のシングルモードファイバに分配しコア数だけ並べたコヒーレント送受信器に接続する必要があることから、今後の陸上中・短距離システムへの適用に関しては、受信器の小型化と拡張性が課題でした。
本論文では、メタサーフェスを活用することでファンイン・ファンアウト素子 を用いず、コア数に対してスケーラブルでコンパクトなマルチコア偏波多重コヒーレント受信器が実現きることを提案・実証しました。メタサーフェスは波長未満の誘電体または半導体の微細構造により入射光の位相、偏波状態を制御する表面入射型の光学素子です。偏波多重コヒーレント受信には受光に加えて偏波や位相を制御す光部品が必要となりますが、本論文では、従来光導波路等で実装されていたこれらの機能をメタサーフェス に置き換え、更に表面入射型素子が有する空間多重性を利用することで、1 枚のメタサーフェス とコア当り5 台の受信器(従来は8台)のみという極めて簡素な構造の受信器を実現しました。提案した受信器はSOQ(Silicon On Quartz)基板上にメタサーフェス を作製し、4 コアMCF からの偏波多重 コヒーレント信号を同時に受信し、全てのコアの両偏波チャネルが良好に復調できることを実証しました。本論文はコンパクト光送受信器の提案・実証に加えて、メタサーフェス が従来のイメージング用途のみならず通信用途でも有望な技術であることを示しています。
論文賞贈呈式は2026年6月4日に機械振興会館で執り行われました。
<論文タイトルと著者>
タイトル:メタサーフェスによる空間・偏波多重コヒーレント受信器
著 者:小松憲人 相馬 豪 石村昇太 高橋英憲 釣谷剛宏 鈴木正敏 中野義昭 種村拓夫
掲 載 誌:電子情報通信学会和文論文誌C 2025年 4 月号掲載
論文賞贈呈式の様子(左から鈴木副学長、相馬氏、電子情報通信学会植松会長、高橋氏、釣谷氏)
