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2025.01.08 研究情報

本学の教員が「2025 John Tyndall Award」を受賞しました

本学の鈴木正敏副学長がIEEE Photonics SocietyとOpticaより、「2025 John Tyndall Award」を受賞しました。
John Tyndall Awardは、全世界から、光ファイバー技術に対して先駆的、非常に重要、または継続的な技術的またはリーダーシップの貢献をした1名の個人を選出して表彰する光ファイバー業界における最高の栄誉の1つであり、19世紀の科学者、John Tyndallにちなんで名付けられました。日本からは、これまで、半導体レーザ、光ファイバー、コヒーレント通信に関する先駆的で歴史的な成果をあげた研究者4名が受賞しています。授賞式は、米国カリフォルニア州サンフランシスコで開催されOptical Fiber Communication Conference and Exhibitionにおいて2025年4月1日に開催されます。

鈴木副学長は、光デバイス、システム、ネットワークに関する先駆的かつ革新的な研究を通じて現代の光通信を可能にする最も重要ないくつもの基盤技術を開発し、長距離大容量光通信システムの持続的な発展に多大な貢献をしました。この業績に対して、IEEE Photonics Societyの会長のPerry Shum氏は「鈴木教授の業績は光通信の未来に影響を与え続け、また、技術進展とイノベーションの促進に対する彼の貢献はこの分野に消えない痕跡を残し次世代の研究者やエンジニアを啓発している」と高く評価し、またOptica会長のGerd Leuchs氏は「鈴木正敏氏の優れた業績は光通信に革命をもたらした。彼の業績により、私たちはより速くより大容量で接続するという増え続ける要求に対応することができた」とコメントしています。

鈴木副学長の半導体光集積回路世界第一号となった高速変調器集積レーザの先駆的な研究は、現在の変調器集積レーザの世界的な展開につながっています。また、高速長距離光伝送を可能とする分散マネージドソリトンの発明は、高速光信号を用いる波長多重大容量長距離光通信システムの必須技術となっています。これらの技術は、Japan-USケーブル間やTAT-14ケーブルなど、毎秒テラビット級の太平洋横断・大西洋横断海底ケーブルのほとんど、また数多くのアジア地域の海底ケーブルシステムに適用されています。その結果、光海底ケーブルシステムの容量は10年間で約200倍に拡大され、世界のインターネットの成長を支える通信インフラとして社会にとってなくてはならない大容量通信システムが実現されました。

業績名: for pioneering and seminal contributions to large capacity long-haul optical communication systems including integrated light sources, dispersion-managed soliton, WDM submarine cable systems, and spatial multiplexing.(半導体集積光源、分散マネージドソリトン光通信方式、波長多重光海底ケーブルシステム、光空間多重技術など、大容量長距離光通信システムへの影響力の大きな先駆的で独創的な貢献)

【参考】
IEEE Photonics Society_2025 John Tyndall Award

Optica_2025 John Tyndall Award

Optica_History_Masatoshi Suzuki